西式健康法

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マスクの有効性について

約13分

新型コロナウィルスの世界的流行が起きてから、マスクの有効性についていろいろな見解が示されていました。

当初は、良く訳の解らないまま、とにかなんとなく、マスクはしておいた方が良さそうだ、といった感じであったかと思います。

その後、確かWHOからはマスクはほとんど効果はない、少なくとも装着者自身の感染予防目的としては、ほとんど効果は期待できない、という情報が発信されました。

ただし、感染者が他人にうつさない、つまりウィルス混じりの飛沫を周囲に飛散させないという意味では、それなりの効果、といった評価であったと思います。

ですから、流行当初の欧米では、マスク着用は医療関係者以外にはほとんど見られない、といった状況であったと思われます。

当初、トランプ大統領以下米国の首脳陣は、ほとんどマスクを着用していませんでしたが、いつの頃からか、トランプ大統領は着用しないものの、周囲の関係者は必ず着用するようになっていました。

予防効果ほとんど期待できないが、万一、自分が感染していた場合に、他人(この場合は米国大統領という最重要人物)にうつさないように、というコンセプトには沿った使用方法と思われます。

米国ではマスク非着用者と警察、店舗警備員といった間で、乗り物への乗車、店舗入店をめぐっての騒動が数多く報告されており、入店拒否に怒った非着用者が自宅に銃を取りに帰り、店に戻って、店舗の警備員を射殺した、などという日本ではまったく考えられないような報道もあります。

トランプ大統領が、今日でもマスクは未着用であるのか、結局、着用することになったのかは知りませんが、常々申し上げていますように、ここは最新科学に裏打ちされたエビデンスに基づいて、マスク着用の可否を冷静に判断する必要があります。

マスク必需派、不要派が、各々ただの思い込みで争っているのだとすれば、こんなばかばかしい、悲しいことはありません。同一宗教の宗派間の戦闘、教義論争の方が、まだ理があるというものです。

マスクについては、ブログNo.033「新型コロナウィルス その後② 緊急報告」においてウィルスの大きさやマスク(N-95規格)のメッシュの大きさなどについても詳しく説明させていただきましたが、こと感染防止に実際のところどれだけ有効であるのか?ということになると、まったく確認はされていません。

香港大学の研究報告

 たぶん、マスクの有効性についての、初めて、かつ唯一の研究報告が香港大学から発表されてから、日本だけでなく、世界的にもマスク着用率が著しく向上したように思われます。

この研究報告は、2020年5月18日付の香港紙によって報道されたとのことですが、その概要は以下の通りです。

香港大学の微生物学者で、もともと、マスク着用の有効性を提唱していた袁国勇(Yuen Kwok- yung)の研究ティームは、次のような実験によりハムスターの感染を60%以上減少させる可能性があることを明らかにした。

 

感染ハムスターと非感染ハムスターを入れた二つのケージの間に、医療用マスク(N-95規格と思われるが報道では単に「医療用マスク」と表記)を設置し、送風機FAN と表記されているので扇風機様の送風機であると思われる)で送風し、ウィルスが伝染するようにした。

 マスクが設置されていない場合は、一週間以内に健康なハムスターの2/3が感染したが、感染させたハムスター側にマスクを設置すると、感染率を15%強に抑えることができた。

 一方、非感染ハムスター側に設置すると、その感染率は倍の値となった。

 この実験から、サージカルマスクを着用すると、とくに感染者が着用すると、感染率を50ポイント低下(67%から17%に低下したというパーセンテージの差。感染率を半分に低下させたという意味ではなく、普通の感覚で表現すれば、1/4になったということ。12匹中8匹が12匹中2匹になったので)させる可能性を示唆している。

なお、英文の報道記事(たぶん元記事)では、本当なのか?と思ってしまいますが、現物のマスクの代わりに『サージカルマスクでパーティションを設置して』となっています。

ケージ間に単なるついたてを置いた(感染ハムスターケージに接触させる様に設置と非感染ハムスターケージ側に配置?)だけのように報道されていますが、さすがにこれはないのではないかと思います。 

さて、マスクは絶対に必要だった、ということになるかどうか、この実験報告について検討を進めたいと思います。

まず、実験装置図や構造などの詳細が、少なくとも報道では紹介されていないこと、もともと、袁教授はマスク着用を主張していた学者であるということなので、ご自分の主張にとって、いくらかは有利な結果になるような実験になってしまっている可能性も、絶対にないとは言えない、ということも、多少は頭に入れておく必要があるでしょう。

次に、もちろん、医療用マスクと言ってもマスクそのものではなく、マスクと同等の不織布製スクリーンによって、両者間を流れる空気が、基本的にはその不織布を通過するように設置された構造、配置であると推察されます。

実験の妥当性

 一部テレビ報道で、概念図のようなものを紹介していましたが、それが正確なものであるかどうかは不明で、私の想像の部分が含まれていることはご容赦ください。斜線太字で引用した、報道記事のカッコ内は、私の推測です。

 

さて、話はまったく変わりますが、自動車のエアクリーナーエレメント(ろ紙)の交換を、自分でしたことがある方であれば、すぐにピンと来てくれるのではないかと思いますが、5万km 程度使用したエアクリーナーエレメントは真っ黒です。

 

フェイルター表面は、油っぽい黒い綿埃のような汚れで覆われています。

 

エアクリーナーエレメントは、エンジンのシリンダー(燃焼室)内に吸引する空気の全量を通過させますから、そのろ紙にあたるエレメントは、空気中に含まれている微細な塵埃をほぼすべて取り除いてくれます。

もちろん、メッシュサイズ以上の物質であれば、ということにはなりますが。

この装置のおかげで、エンジン内部は塵埃によるヤスリ効果によって磨耗することなく、長寿命を達成することができる訳です。

では、同じ普通の空気、つまり微細な塵埃混じりの空気を吹き付けたとしたらどうなるでしょうか?

もちろん、空気が一切漏れることなく、吸気と同量の空気を同じ流速で吹きつけたとすれば、結果は同じになると思われますが、扇風機様の送風機で送風するということになると、流体力学的には、結果がまったく異なってくると考えられるのです。

抹消血液循環などでも同じことが言えるのですが、微細な個体成分(血球成分のような)を含む流体は、いくら吹き付けても、押し込もうとしても、うまく入っていくことはありませんで、吸引力が働かないと絶対に成立しません。

それと同様、微細な固形物質が含まれた流体(この場合はウィルスや微細な塵埃を含む空気)をいくら吹き付けたとしても、空気の流れと共に固形物も相当量がマスクを通過することなしに横へ逸れてしまいます。

目詰まりを起させることもありません。

実験は、必ずしも実際のマスク着用時の空気の流れを再現していないから、その精度には重大な疑義が生じるということです。

マスク着用時の空気の流れ

ヒトがマスクを着用した際の空気の流れ(この場合は、自らが染しないための感染予防目的では)は、呼吸によって空気を吸い込む際の吸引力によって生じます。

胸郭の拡張によってということです。

空気を吸入しているということは、空気中に含まれるウィルスなどは、マスクがなければ全量が気管に入ります(一部は、口腔粘膜や鼻腔粘膜の粘液に接触して捕捉されます)し、マスクを装着していれば、通過空気中の微細な飛沫核やウィルスは、たまたまメッシュサイズ以下につぶされた網目(つまり規格以下に小さくなった隙間)には引っかかりますが、多くは素通りです。

逆に排気の場合、息を吐く場合ですが、この場合に全量がマスクでろ過されることはないうえに、空気の流れは阻害されて、いくらかはウィルスと共に(感染者の場合)マスク内に滞留することになります。

ですから、自身が感染している場合には、排気された呼気に含まれるウィルスを再吸入する量は大幅に増加してしまうことになり、何度も再感染してしまうことになります。

免疫を獲得するまでの間ですが。

狭い範囲の一部粘膜が感染していただけであったのに、より広い範囲に自らの感染部位を拡げてしまう可能性は相当高くなる、ということでもあります。

物理学的に検討すると

網戸一枚介しただけでも、風通しと言いますか、空気の通過量はかなり減じます。

「網戸」と言っても、そのメッシュサイズ(網目の細かさ)は、何種類もあるのだそうですが、標準的な家庭用網戸の場合、ひとつの網の目サイズは、1mmちょっと(実際には張り線の太さがありますから、およそ1辺1mmの正方形の穴)ということになろうかと思いますが、それでも風の通過量は相当減少します。

網戸のメッシュの違いによる通風量と言いますか、空気の透過率などのデータを探したのですが、残念ながら見つかりませんでした。

 

そこで、扇風機を使って、吹流し様の布の動揺具合で網戸の有無による通風量を比較してみたのですが、この程度の実験でも、明確な風量の減少を確認することができました。

 

これがメッシュで表せば、天文学的とも言えるくらいにレベルが違う、医療用マスクに準じるマスクであれば、網戸とは比較にならないほど通風量は減じることになります。

マスクを装着していると、いくらか、呼吸量が増えただけでも、吸気の際に息苦しさを感じることは、誰もが経験していることと思います。

お解りいただけたかと思いますが、前記報道内容が正確であるのだとするならば、ファンで送風したのでは、ほとんどの空気(ウィルス飛沫核を含んだ)は、マスクと同規格の不織布によってはじかれてしまい、ストレートに非感染ハムスターのところへ届くわけではない、ということです。

言い換えれば、多くの空気は生地を通過することはできない、つまり、この実験ではマスクの有効性の証明にはまったく不十分である、実験結果は信用できないと申し上げたいのです。

正しい結果を得たければ、完全密閉状態で他所からの空気の流入、侵入が絶対に起こらない装置を使って、空気の流れを呼吸と同じ方法で、つまり吸引によって起させないと、マスクの有効性を証明することには、まったくなりません。

それでも、この実験は、実質的には空気感染が主流、という私の説を裏付けてくれていることにはなります。

咳も、くしゃみもしないと思われるハムスター(くしゃみはごくまれにする可能性あり)であっても、この試験装置で感染が拡大するということは、やはり通常の呼気中に含まれるウィルスによって感染したものであって、実質上の「空気感染」を裏付ける実験であると言えます。

過去の定説と矛盾しないように、この実質的空気感染を飛沫核感染と称し、一般の方々が「小さめな飛沫」=「マスクで十分に感染予防可能」といった誤解をしないように広報すべきなのですが、一向に改めようとはしません。

過去の学説を真っ向否定したくないから(学会の内輪もめにつながる)といって、体面や権威を優先させるのではなく、ここは「空気感染」という用語に改めるべきです。

それがいやなら『実質的空気感染』でも構いません。

もっとも、この見解は一部専門家の間では、逆に常識になりつつあるのですが・・・・。

具体的な対策

有効な対策は、マスク着用ではなく、ウィルス濃度の高い空気を吸わないようにする、ということに尽きます。

東京の精神科病院で、新たに小規模ながら集団感染が発生しました。精神科病院、病棟は、一般病棟と比べて、一般的に患者の在室時間が長いので、集団感染が非常に起きやすいと言えます。

要介護高齢者専門の病院も同様です。インフルエンザの集団感染も同様な傾向があったことを思い出してください。

 

そういうkとから、以前にも申し上げましたが、屋外で感染する可能性はほとんどないと考えて良いでしょう。完全無風状態でない限り。

もっとも、至近で感染者にくしゃみをされ、その飛沫を呼吸器に吸い込んでしまった場合はまったく別です。

 

このケースは、状況としてまれですが、実際にこの状況に遭遇した場合には、発症率は一番高くなるものと考えられます。

ウィルスの侵入量が、桁違いに多いことになりますから。

ウィルスは生物と無生物の中間的存在と言われます。自らは分身の生産を行うことができず、他生物の細胞を利用するからです。

言い換えると、自己完結できないからとも言えます。

究極の寄生生物という言い方もできますが、全般的に下等なことは間違いありませんから、それほど完璧とは思われず、植物で言うところの発芽率は相当低いものであると考えられます。

一定量以上のウィルスに侵入されない限り、発症するほどの状態には至らないものと考えられるのです。

現在、抗体検査によって、相当数の人が抗体をすでに持っているようだ、といった報告があります。

抗体検査の精度の問題(今回流行中のコロナウィルス抗体とSARS、MERS抗体とを峻別できるのか?)もありますが、少量侵入の結果として、ウィルスは限定的には増殖はしたものの、素早い抗体産生によって発症しなかった、とも考えら得ます。

施設、機器消毒の有効性

いろいろと努力なさっている方々にはお気の毒ということになるかも知れませんが、施設や屋外の街路の消毒は、まったく無意味であると考えられます。

流行初期にはよく話題になったかと思うのですが、新型コロナウィルスが感染能力を維持できる期間については、次のような研究報告があります。一応、最大値です。

印刷物やティッシュペーパーの場合3時間。加工木材と布地では、48時間後には検出されなくなり、ガラスや紙幣では、ウイルスが検出されなくなるまで4日間。

ただ、ステンレスとプラスチックの表面に付着した場合には7日間を要した、となっています。(香港大学の報告)

エアロゾル(空中浮遊状態を意味すると思われる)で3時間。銅の表面では4~8時間、段ボール表面では24時間。

感染力低下は見られるものの、ステンレス表面では48時間、プラスチック表面で72時間。(米国の国立アレルギー・感染症研究所などの研究グループの報告)

という報告もあります。

施設消毒について

今日では、特殊消毒を実施できる、つまり、新型コロナウィルス感染者が滞在したり、手を触れた恐れの高い場所や器具を消毒する業者が引く手あまただそうですが、本当に有効なのか?完全にウィルスを除去できるのか?ということが心配になります。

はっきり申し上げると、そういった一連の作業については、何のエビデンスもありません。全員が、何となくの思い込みで適当に実施しているという以外の説明はできません。

基本的に、前述の時間しか感染繁殖力はありませんから、一定時間経過すれば何もしなくても完全にウィルスはいなくなっています。少なくとも完全不活化します。

ダイヤモンド・プリンセス号のように、全員が下船したあと、相当期間(一ヶ月近くの間、無人で係留されていたように思いましたが)放置しておけば、まったく消毒作用など不要です。これは科学的、医学的に明らかなことです。

専門業者と称する方々も、普段は遺品整理であるとか、孤独死後相当期間が経過した室内の片付け、清掃、脱臭作業を行っていた方々がほとんどであると言います。

一応、形式的な消毒ともいえるような行為(実際は臭気除去が主目的で塩素系の薬剤を使用したのではないかと思いますが)は数多く実施してきた方々であろうとは推測しますが、実際にどれだけ菌数が減少したであるとか、ましてや、ウィルス数をどれだけ減らしたか、などということは、まったく調べたこともないと思われます。ある訳がありません。

不動産屋さんであれば、次のテナント候補者に『事故物件ですが、完全清掃、消毒済みです。その分お安くなってます』と、言えれば良いだけのアリバイ作業に過ぎません。

つまり、お祓いと何ら変わらない、ということです。くどいようですが、純粋に科学的に考えてもです。

実際に、相当期間放置されていたようなダイヤモンド・プリンセス号の全体消毒の費用は、最低でも数千万円は要したと思われますが、ご利益のありそうな神社の神官に来ていただいて、お祓いをしていただいた際の、御初穂料は5万円程度でも引き受けていただけるかもしれません。しかも船外から実施できます。

もっとも、ダイヤモンドプリンセス号の船主会社であれば20万円くらいは包んでいただきたいところですが。

冗談で言ってるのではなくて、どちらも形式的、アリバイ的に行うわけですから、どちらがもっともらしく映って、費用が安いかということだけ、と言ったら言過ぎでしょうか?

この記事を書いた人

株式会社 西式サービス西会 本部長西 万二郎
昭和27年(1952年)東京生まれ。東京工業大学工学部付属工業高校機械科を経て立教大学社会学部卒業。西式健康法創始者、西勝造の次男・西大助(西式健康法普及団体、西会第三会長、故人)次男として生まれ、在学中より西式健康法西会本部に勤務し西式健康法普及活動を開始。昭和52年業務部長、昭和63年本部長に就任。主な著書に『西式健康法入門』(平河出版社刊、共著)がある

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