西式健康法

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新型コロナウィルス その後②

約14分

緊急報告

コロナウィルスも

 インフルエンザウィルスも実質的には空気感染か?

飛沫感染、エアロゾル感染、空気感染

 最近では、「エアロゾル感染」という言葉が広く用いられるようになりました。

「飛沫感染」というのは、小さい唾液等の飛沫(しぶき。照明を工夫すれば目視できるサイズ)内に含まれているウィルスを、飛沫ごと吸い込んでしまって感染することです。

エアロゾルとは、基本的には飛沫の小さなものということなのですが、比較的新しい概念であるため、そのサイズ等に明確な定義はないとされています。

飛沫よりも小さくて、一定時間空間に漂っているものを指す、というのが大方の合意のようです。

また、現在では原則として「空気感染」と言う言葉は使わないのだそうで、代わりに地言ったらいけないのかもしれませんが「飛沫核感染」と呼ぶものがあります。

飛沫核感染とは、空気中に飛散したウィルス等を含んだ微細な水滴の水分が蒸発して、5マイクロメーター(ミクロン)以下の大きさとなって空気中を漂い、それを呼吸器官に吸い込んだために起こる感染、と定義されているとのことです。

この乾燥した浮遊物は、もちろんウィルスだけではなくて(ウィルスの大きさは80~220ナノメートル)何か核になる物質、体液中に溶解していたカルシウム、塩化ナトリウム等が固体化した微細物質(と思われます)に、ウィルスが付着した状態で漂っている微粒子なのだそうです。

結核も、この飛沫核感染ということになってはいるのですが、結核菌のサイズは、およそ2~10マイクロメーターですから、純粋に乾燥菌体として浮遊しているのか、やはり何か核になる物質に付着した状態で存在するのか、そのあたりのことを詳細に解説した文献は見つかりませんでした。

とにかく、乾燥したウィルスや細菌が、単体で浮遊して吸入され、それが感染源になることはない、とされているようです。

なぜ、このような解説をしているかというと、例えば、評判の悪かったガーゼマスクの有効性だけでなく、マスク自体の有効性も、手洗いの有効性もある程度予想できるようになるからです。

筋の通った予想、仮説を組立てることができれば、過剰な装備、出費も不要になりますし、マスクを探し回らなくても済むようになるかも知れません。

感染経路の謎

 感染経路については未だに多くの謎があります。

経路といっても、誰に移されたのかという経路の方ではなく、感染者のくしゃみや咳の飛沫が呼吸器官に入って感染した、といったようなウィルスの侵入経路に関することです。

テレビに出てくる医師、医学者の見解を聞いていますと、日常的には十分な手洗いを履行すれば、感染はかなり防げる、ということになっているのですが、本当でしょうか?。

手洗いの有効性は次のように説明されています。

ウィルスが感染者の手に付着していて、例えば、感染者が手すり、ドアノブやATM タッチパネルなを操作した際に、次に触れた人の指や手掌に付着して、それが結果的に体内に侵入して発症する、とされています。

であるから、手を頻繁に洗浄すれば、あるいは、不特定多数のヒトが手を触れるようなものを頻繁にアルコール消毒をすれば、感染は防げるということになっているのですが、良く考えてみるといろいろと疑問が生じてきます。

まず、ウィルスが手に付いたからといって、それが体内に侵入する経路が不明です。

苦肉の説明(医学者の間では常識になっているよですが)として、ヒトは無意識に幾度となく手で顔に触れるので、その顔に付いたウィルスが目や口から侵入するというストーリーなのですが、どう考えても無理があります。

 

花粉症などによって、目に強いかゆがあれば、目の周りやまぶたを幾度となく擦るということは十分にあり得ることですが、それでも眼球の痛覚神経は敏感ですから、眼球に直接指先が触触することは、絶対と言ってよいほどありません。

 

女性でファンデーションというのでしょうか、白粉様の化粧品を顔に塗っている場合には、化粧崩れしますから、仕事を持っている女性は、少なくとも職場等では滅多に顔には触らないのではないかと思います。

眼球の周囲、直近にウィルスが付いたとしても、常に微量の涙が出ていますから、鯉の滝登りのように、ウィルスがその流れに逆らって眼球菜内に侵入し、さらに血液の流れに乗って肺に到着、肺炎を起すなどということは、とても考えられません。

犬猫なら、自らの口の周囲をしょっちゅう舐めていますから、そういった感染経路もあり得るのかもしれませんが、ヒトは自らの舌で口唇周囲を舐めまわす、舌なめずりをするということは、一般的ではありません。

お金を数えるのが趣味で、日に何度も、何度も、指先なめなめお札を数えている人は、皆無とは言えないかもしれませんが、常識で考えれば日常的、一般的な行為とは言えません。多くの方々の感染経路になったとはとても考えられないということです。

 

しかも、仮に、たまたま顔に手がいった際に、口から、少量のウィルスが口腔内に入ってしまったとしても、ウィルスには脚があるわけでも、ヒレが付いているわけでもありませんから、繁殖地(鼻腔、気道粘膜、肺胞等)に自ら移動することはできません。

 

また、口腔内に入ったウィルスは誤嚥をしない限り、唾液と共に消化管へと入ってしまいますから、呼吸器系の感染につながる侵入路になるとは到底考えられません。

 

胃酸分泌抑制剤(PPI、H2ブロッカー等)でも常用していない限り、胃酸にはかなりの殺菌作用があります。

クラスター発生要件

 クラスターという用語は意訳すれば「小集団」を意味する言葉です。本来の意味は、「塊り」とか、「集まり」を意味します。

今回のことに即して日本語にしますと、『共通の感染源による特定感染者集団』ということになりましょうか。

ダイヤモンドプリンセス号の乗客、乗員。屋形船で新年会を行った、主として個人タクシー組合のメンバー。東京台東区の永寿総合病院のスタッフ、患者等々です。

その前の和歌山の病院も、それほど多くの人に感染したわけではありませんがクラスターと呼ばれます。

病院スタッフは、今回流行が起きる前から、手掌のアルコール消毒は日常的に実施していたはずです。

少なくともスタッフ側はほぼ日常的にマスクは着用していたと思われるのですが、それでもいくつかの総合病院でクラスターが発生してしまいました。

従来信じられてきた感染ルート、つまり、近くにいる感染者の咳、くしゃみによって放出された大きな飛沫を吸い込んで感染、だけでは説明が付かない感染症例が多数出現したと思われます。

そういった事実からか、相手が咳、くしゃみを全くしなかったとしても、最近急に感染者と普通に数十分の会話をしていれば感染する可能性がある、と言われるようになってきたのです。

 

そうなると、普通の会食、会話を通じても、自覚症状など何もない人ばかりであっても、相手が感染者であればうつされてしまうかもしれないということです。

感染ルートの謎が解ける?新しい学説

 参考文献を探していて、非常に興味深い論文の紹介記事を見つけました。従来の定説を根底から覆すとも言えますし、物理学的には『考えてみれば、それも考慮すべきだったな』という内容です。

実験、研究自体は2012~2013年シーズンに掛けて行われ、正式に論文として発表されたのは2018年とされています。

論文の邦題は、『大学内における、各種症状が出現している季節性インフルエンザの呼気中の感染性ウィルス』(筆者訳)という論文です。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29348203等をご参照ください)

論文筆頭者は、ヂン・ヤン(Jing Yan)という、メリーランド大学の公衆衛生学部(scool of public health)、応用環境健康研究グループ(applied environmental health)といったような訳でよろしいかと思いますが、その部署に所属する学者です。

以下に概略を引用しご紹介します。

 呼気によって排出されたインフルエンザウイルスの量と感染力についてはほとんど解っていないが、これはインフルエンザ感染(予防)の重要性に関する不確実性の原因となっている。(中略;データが紹介されています)

 微細および粗いエアロゾル中のウイルスRNAは、BMIと咳の数と正の関連があり、症状が発現してからの日数の増加と負の関連があった。

 鼻粘膜から綿棒で採取したウイルスRNAは、上気道症状と正の関連があり、年齢と負の関連がありましたが、微細または粗いエアロゾルウイルスRNAまたはそれらの予測因子とは関連がなかった。

 くしゃみはまれで、感染性エアロゾルの発生にはくしゃみと咳は必要条件ではなかった。

 我々の観察研究は、上気道と下気道のインフルエンザ感染が区分され、独立していることも示唆している。

 

平易な表現で書き直しますと以下の通りです。

通常の呼気に含まれるインフルエンザウィルスの量や感染力に関する研究がないために、インフルエンザ感染の仕組みがはっきりせず、そのため十分な感染予防もできていない。

エアロゾル中のウィルスは、肥満傾向が大きいほど、咳の回数が多いほど多くなり、症状が出始めた後は減少していく。

鼻粘膜中のウィルス量が多いほど、上気道症状(咳、喘鳴音のことと思われる)は強く発現し、年齢が増すほどウィルス量は減少する。(加齢によって細胞の能力が低下して来るためか?=筆者)

また、鼻粘膜から検出されたウィルスRNAの量と、各サイズエアロゾル中のウィルスRNAとの間にも相関関係は見出せなかった。

(調査対象者には)くしゃみ症状は非常に少なかったが、それでもくしゃみと咳の量は呼気中の感染性エアロゾル量とは関係は見られなかった。

この事実から、上気道に感染した場合と、下気道に感染するのは、一連の症状ではなく、二回、ほぼ同時に感染したと考えることができる。

といった内容で、要点のポイントは次のようなところです。

○肥満度との関係は、肺換気量に比例するということであると思われます。

○鼻粘膜中のウィルスRNA量と呼気から排泄されるウィルスRNA量には相関関係はない。

○咳、くしゃみがなくても、呼気中に感染性エアロゾルは含まれる(感染者であれば)

○内部でウィルスが増殖しながら各部位に展開して、各々の部位で症状が出るのではなく、同時に複数個所に感染したと考えるべきである。

というような大変興味深い内容です。つまりは、従来の予防法では全く通用しない、という可能性も同時に示唆していることになります。

もちろん、これはインフルエンザウィルスに関する研究ですから、コロナウィルスでのデータはまだ存在しません。医学的には十分なエビデンスはない、と言われてしまう可能性はあります。

ただ、両ウィルスとも、ヒトを宿主とするための適応をしており、呼吸器官の細胞を利用することにおおむね特化している、という点に関しても共通しているわけですから、効率よく複製を作らせるための戦略は同じ、であると考える方が自然ではあります。

マスクの性能、機能

もちろん、従来から言われている飛沫感染も存在はします。するはずです。

ただ、こういった緊迫した状況になってくると、従来考えられていたような飛沫感染(くしゃみや咳の大きなしぶきを直接吸引する)をむざむざさせられてしまう、という可能性は、非常に少なくなったのではないかと考えられます。

繰り返しになりますが、マスクさえしていれば、手洗いさえしっかり励行していれば、うがいさえしていれば、インフルエンザも新型コロナも予防できるという、非科学的な考えは捨てる必要があります。

とくに、うがいでは全く予防することなどできない、ということを強調したいと思います。

そういえば、今回のコロナウィルスでは、誰もうがいは推奨しませんね。インフルエンザと同じ、呼吸器が感染ルートなのに、どういうことでしょう。

うがいには、喉の毛管運動として咽頭部等の血流を向上させ、免疫対応をやや向上させる効果はあるはずですが、口蓋のやや奥の部分だけ、一日何回かうがいで洗浄したところで、イソジン使ったところで、ウィルスを洗い流そうなどという安易な考えは、明治時代の発想?ということですし、まったく感染予防効果は期待できません。

次にマスクの能力を科学的に検討してみましょう。

 

特殊な軍用や特別な医療用装備品としてのマスクを除外して、最も性能が高いとされている、N-95規格のマスクについて検討してみます。

 

Nは、耐油性なしを意味する記号だそうで、95とは0.3μm(300nm)、つまり、0.3マイクロ・メーター(300ナノ・メーター)物質の捕集率95%以上という規格に合格した製品、ということだそうです。

もともと、空気感染をする(実際は比較的大きいサイズのエアロゾル)とされていた結核菌は、長さ2~10μm、径が0.3~0.6μmですから、このN-95規格に合致したマスクは、きちんと顔とのフィット面が塞がれていれば、ほぼ完全に防げることになります。

ただし、ということになりますから、全部素通りということにはなりませんが、多少は通過してしまう可能性もありますし、十分にフィットしていない部分があれば、けっこう侵入されてしまう可能性が高いと思われます。

そういう意味では、やはり、感染予防用としてはガーゼマスクなどは論外ということになります。

目に見えるサイズの大きなシブキは、そこそこ止めてくれますから、くしゃみのシブキで他人に感染させない、他人のくしゃみのシブキによって感染させられない、という意味ではある程度有効かも知れませんが、呼気に含まれる、超微細エアロゾルによる感染に関しては全く無力であると断言できます。

最後に取って付けたようになってしまいましたが、屋外の行事であれば、それなりに密集しても、無風状態でなければ感染リスクはかなり低いものと考えらえます。

満員電車で意外と感染が広がらないのは、ひどいラッシュアワーになるような路線の車両はドア数も多いし、多くの人が乗ったり、降りたりを繰り返しますから、かなりの空気が強制的に入れ替えられて、意外と車内にはウィルスが滞留しないのでしょう。

また、電車に装備された換気扇をフル稼働させているという対応も、有効な感染防御策です。

それでも、感染者の割合が一定以上になってしまうと、電車内のウィルス濃度は、短時間であっても、比較にならないほど高くなりますから、あるレベルを超えた途端、通勤電車が媒介源となる感染爆発が起こる可能性があります。

10年も経ってみれば、花見自粛は無意味だったねとか、元々地元の客がほとんどであるような、屋外野球場でのスポーツ観戦は、開催しても良かったのにね、といったことになるのではないかと思います。

また、家庭内、職場内に喫煙者がいると感染リスクを下げられる可能性がある、ということも言えるかも知れません。

さすがに、最近では室内を紫煙で充満させるような吸い方をする方はほとんどいなくなったのではないかと思われます。

キッチンの換気扇直下で吸ったり、ベランダに出て吸ったりという方がほとんどでしょう。

しかし、これらの行為も、空気の強制換気に相当貢献していることになります。

ベランダに出入りする際のドアを開け閉めだけでも、相当量の空気は入れ替わりますし、換気扇が回っていれば、これも空気の入れ替えに大いに貢献してくれます。

ただ、アルミサッシのおかげで、最近の住宅は異常ともいえるほど密閉性が高いので、常に喚起窓等を少しだけでも開けておく等の配慮は必要になるかと思います。

また、自動車内での同乗者がある場合の感染防止には、ヒーター、エアコン使用時に「外気導入」にすることをお勧めします。

 

循環モードで使用していると、感染者が同乗した場合には、車内のウィルス濃度が時間経過に比例して上がっていくことになります。

盛夏の時期は、外気導入モードでクーラーを入れると、冷房能力は低下してしまい、十分には冷えないクルマが多いかと思いますが、それでもCOVID-19に感染してしまうよりははるかにマシです。

結論

結論として、感染者と同じ空間に一定時間いるだけで感染してしまう可能性が高い、ということは、具体的な予防法は手洗いでも、N-95マスクでもなく、とにかく、感染者と換気の悪い空間に居ないようにする、という以外の確実な予防法はない、ということになります。

と言っても誰が感染者かは判らないわけですから、しばらくは最低限の接触以外は控える、ということに徹するしかないでしょう。

換気を常に行って、実質的な空間を広げ、人との距離を広げたのと同じ効果を出だして一呼吸あたりのウィルス吸入量を指数関数的に減らすことを心がけることです。

なお、過度の手洗い、手掌の頻繁なアルコール消毒は、確実に手荒れの原因にはなりますが、感染予防効果はほとんど期待できない、ということと、現代人は、もっと、自然の菌を取り入れる必要がある、という私の主張とは相反します。

このたびの新型コロナウィルス肺炎が、実質上終息したとしても、行き過ぎた消毒の習慣だけが残ってしまうことがないように強く願います。

この記事を書いた人

株式会社 西式サービス西会 本部長西 万二郎
昭和27年(1952年)東京生まれ。東京工業大学工学部付属工業高校機械科を経て立教大学社会学部卒業。西式健康法創始者、西勝造の次男・西大助(西式健康法普及団体、西会第三会長、故人)次男として生まれ、在学中より西式健康法西会本部に勤務し西式健康法普及活動を開始。昭和52年業務部長、昭和63年本部長に就任。主な著書に『西式健康法入門』(平河出版社刊、共著)がある

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