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ワーファリン復活 Ⅱ 考察29

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ワーファリン復活 Ⅱ 考察29

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睡眠時無呼吸症と心房細動

『ワーファリン復活』で述べましたように、左心耳内血栓はそこで形成されたのではなく、肺静脈内で形成されてしまった血栓を、心臓を経由した後、動脈血管に流さない、つまり、血栓による塞栓症を防ぐための仕組みが『左心耳』なのではないのか?というのが私の仮説です。

そこで、他の関係文献も色々と調べましたところ、いくつもの興味深い文献を見つけました。

それが、副題とした『睡眠時無呼吸症と心房細動』の関連性を解説した文献です。

丸々転載しますと、著作権に抵触する可能性のある文書からの引用となりますので(正式な医学論文でも公的機関の文章でもない)、要点のみを引用、紹介させていただきます。

心房細動と脳梗塞の関連

一般開業医ではありますが、専門医が書いた文章ですので、前回ご紹介した時点では判明していなかった、この問題に関する歴史についての記述がありましたので、そこからご紹介します。

この文章によれば、2000年頃、つまり、22~23前までは、心房細動はあっても、血液サラサラであり脈拍数が多くなければ放っておいても良い、ということになっていたが、最近(いつ頃から主流の考えになったのかは、判然としませんが)、心房細動は早期治療開始が望ましい、ということに変わってきたのだそうです。

もちろん、そのためには、当然ですが早期発見が必要ということになります。

心房細動の外科的治療法について

早期発見した後の具体的な治療法としては、担当医のカテーテル術の得手、不得手ということが大きな要素ではありますが、『カテーテル・アプレーション術』という、心房の痙攣の原因となる余計な信号を出す部位を、電気メスで焼損させ、その信号が発生しないようにする内視鏡手術、つまり、心房の独自の動きを抑制して心室の動きに追随させる術式が主流になっているのだそうです。

もちろん、ごく一般の内科医院(循環器内科という表示があっても)では実施できませんから、一般内科では、薬理作用もはっきりしませんし、作用も十分とは言えないかと思うのですが、『抗不整脈薬』という薬剤を処方することになります。

そのカテーテル手術治療の根拠として、心房細動を生じさせる信号の出どころが4本すべての『肺静脈』周囲にあるので、その分に電気刺激というべきか、神経組織の機能を電気メス(正確にはメスではありませんで、スタンガンのようなもの、ということになろうかと思います)で焼いて、その信号が出ないようにしてしまうという術式です。

心房細動は、心房自体の誤った神経信号命令によるのではなく、肺静脈からの指示による、ということが明らかになっている、ということです。

術式の詳細は不明ですが、同様にカテーテルを用いて患部を凍結させて神経組織を破壊する方法もあるのだそうです。

睡眠時無呼吸症との関連

やっと本題ですが、同じ医師の書いている文書で、その次に睡眠時無呼吸症との関連について述べられています。

現在の循環器医学界のコンセンサスとしては、呼吸が数十秒間停止することによって、胸腔内の陰圧が非常に大きくなり、その結果として「心房が引き延ばされる力が働き」、結果として心房細動の合併が増える、となっています。

ちょっと意味不明と言うしかないのですが、呼吸が停止したからと言って、心停止が起きておりませんから、左心室の吸引ポンプ作用によって、肺静脈内の陰圧は大きくなる、ということと思われます。

これについては、物理学的にはとくに矛盾はありません。

しかし、容易に変形し得る左心房がこの肺側と左心室側の、それぞれが創り出す陰圧によって、「物理的に引き延ばされる」という説明は、まったく意味不明と言うしかありません。

心房が本来の収縮限界を超えて、ペシャンコに潰れた状態に変形する、という意味なら言語的には理解できますが、生理学的には起こり得ない現象です。

まさか、心臓全体が大きく膨張した結果として、引っ張られるように心房が物理的に引き延ばされるということも、言語的にはあり得る表現ですが、臓器としての心臓に、そのような現象が生じることはあり得ません。

十分に、どころかまったく医学、科学的に説明が出来ていない、成立していないにもかかわらず、『結果として、睡眠時無呼症があると心房細動の合併が増えてきます』という結論に至ってしまうのが、現代医学の恐ろしいところです。

論理的、生理学的、物理学的にはまったく説明が成立していない訳ですから、それって、単なる統計的事実ですよね、と言わなければなりません。

単なる統計的数値だけを根拠に、一方を強制的に止めれば、あっちの現象も収まるはずですよね?という、ことのようです。乱暴な話と言うしかありません。

説明はできていないのに、あるいは明らかに間違った説明であるにもかかわらず、臨床統計的に有効であれば、理屈になっていない理屈(一般的には“屁理屈”と言われる)で正当化するといった体質は、常々申し上げているように、いまだに、医学のある部分は『科学ではない』ということです。

その臨床的な有効性に関する医学統計も、捏造、誇張報告が多々存在してきたという事実がありましたから、せめて理論的には不明であるが、統計的にはこういう結果が出ている、といったこと明示すべきです。

無理やり、理屈にならない理屈を適当に添えるというやり口は、科学的な思考ができる人を舐めているというか、もっときつい言葉で言えば『詐欺師的手法』と批判する人も出てくることでしょう。

もちろん、心房から発信される神経信号を電気メスによって遮断してしまうという考え方が、事実上の学会の総意とされている見解であるのかどうかはハッキリしません。

設備と人材を揃えた医療機関だけが、営業上の理由で、「それが一番有効」と主張しているに過ぎないという可能性も排除できません。

睡眠時無呼吸症と心房細動

睡眠時無呼吸症候群の人は、心房細動の罹患率が3~5倍は高くなる、という統計的な事実があるとのことです。

この統計数値は、心房細動罹患者側から見ると、心房細動患者の30~80%は睡眠時無呼吸症候群を伴っていると言えるのだそうで、両者に何らかの関連性が存在することに関しては間違いないものと思われます。

卵が先か鶏が先かということになるわけですが、統計上は睡眠時無呼吸症候群患者に、CPAP(シーパップ)を行った場合の心房細動症状の減少、軽減は明白とのことです。

なお、CPAPとは、日本語では『持続陽圧呼吸療法』と呼ばれている療法で、鼻と口を覆うマスクを通じて、加圧した空気を鼻から気道に直接送り込み、強制的に呼吸をさせることによって、睡眠中の無呼吸を防止する装置を装着する療法です。

睡眠中に呼吸用のマスク(ジェット戦闘機パイロットのような)を装着しなければなりませんから、慣れるまでにはなかなか入眠しにくいのではないかと思われますが、それに慣れてしまえば、睡眠中の熟睡度は大幅に向上するとのことです。

熟睡できずに、日中でも突然猛烈な眠気に襲われる「ナルコレプシー」に対しても、大変有効であるとされています。

脳塞栓症に有効かどうかは別問題

 ただ、このCPAPの装着によって明らかに心房細動が減少する、ということが、異論を挟む余地のない事実であるとして、あるいは事実であればこそ、本来、私が問題としている『ワーファリン』の服用推奨にどのような理屈で結びつくのかが理解できないのです。

製薬会社も儲けさせないと、ただでさえ遅れ気味の我が国の医薬品開発技術レベルが低下するから、といったことなら判らんでもないですが、というのはもちろん冗談です。

呼吸の一時的停止によって、肺内での血流停止時間が生じ、肺静脈内で血栓を生ずる(私の仮説)ことがある、あるいは、呼吸停止によって、理由は不明であるけれども心房の機能が損なわれ(心房細動)、左心耳で血栓が形成されるから(現在主流の医学仮説)、ということになりますが、だからと言って『ワーファリン』服用で、それを防止できるとは考えにくいですし、外傷を負った際の止血までの時間が大幅に延長されてしまうというリスクを考えると、とても推奨できるとは思えないのですが、これはまた後程述べることにします。

睡眠時無呼吸症と心房細動について、別な視点から

私の仮説をもう一度申し上げておきますと、左心耳で発見される血栓は、左心字で形成されたものではなく、肺静脈内で形成された血栓が左心を通過して動脈血管に流れないように、捕獲してくれる『血栓キャッチャー』ではないかというものです。

そう考えますと、CPAPで睡眠時無呼吸症状を強制的に生じないようにさせれば、肺静脈での血栓発生リスクはほとんど無くなるはずで、そうなれば心房細動を生じさせるべき理由も同時に無くなる訳です。

つまり、当然のように心房細動という症状も治まる、ということになるのではないか?というように考えている訳です。

『国立循環器病研究センター』の正式報告でも、以下のように説明されています。

 ワルファリンは、心房細動を有する患者の心臓の中に血栓ができるのを防ぎ、脳梗塞の発症を予防することを目的として用いられる抗凝固薬で、ワルファリンの服用により脳梗塞発症時の重症度が軽減されることがいくつかの研究で明らかになっています。
しかし、発症前の服用による長期転帰の改善効果については検証されていませんでした。

となっていまして、ワーファリン服用によって脳梗塞の程度を軽減、重症化を防いだという、本来比較が非常に難しいどころか、調べようがないのではないか?といった結果に対する研究報告はあるものの、発症前の服用による「長期転帰の改善効果」については検証されていない、とされている訳です。

ここでまた、「長期転帰」という用語の説明が必要になってしまいます。基本的に「転帰」という用語は、一応、“ある一時点での結果”ということだそうで、一般的には“治療が終了した段階”を意味する言葉です。

これに長期が付きますと、ずばりの漢熟語で表現するのが難しいのですが、もともと回復に長時間を要する疾病(脳の梗塞や出血性疾患による身体機能障害等も含むことになります)の、回復、治療の終着点のことを意味することになります。

つまり、予防的にワーファリンを服用していたとしても、軽症あるいは、回復に要する期間が短縮できたということについては、証明されていないし、調べてもいない、ということになります。

現在、ワーファリンを処方されている方々は、脳梗塞の既往患者ばかりでなく、ここ数年、心房細動があるというだけで処方されるようになってきたようですから、それは極めて問題である、ということを申し上げています。

出血傾向の確実な増強と、極めてあやふやな脳梗塞予防効果を期待して、この薬剤を継続服用することは信じられない、ということです。

もう一つの文章

これも、国立循環器病センターの公式文章として掲載されている内容なのですが、

心房細動は、脳梗塞の最も重要な危険因子の一つと言われています。

つまり、自信をもって、あるいは心臓は全身血液循環の原動力ではないが、大小動脈血管の血液供給に対するポンプ作用を有する、といったように、完全に学問的、学会の総意として合意された学説ではなく、少なくとも関連疾病に対する国立研究機関の公式見解は、『危険因子のひとつと言われています』というレベルであるということです。

一方、ワーファリンを服用していると、外傷であろうと内出血であろうと、出血が48時間以上確実に止まらない、ということは厳然たる事実です。

例えば歯科医院で抜歯するときには、現在では必ず「抗凝固薬」(ワーファリン等)や「抗血小板薬」(バイアスピン等)の服用を尋ねられます。

抜歯後に、歯科医院では対応不能な出血を起こす可能性があるからです。

感触としては、バイアスピリンの方が、実際の作用はかなり弱いという印象なのですが、作用時間などの数値だけで比較すると、両薬とも相当危険な薬剤ということにはなります。

また、ワーファリンを服用しても一度形成された左心耳内血栓が縮小してくれることはないのだそうで、それ以上造らせない、ということかしかないのだそうです。

怖いこと言ってしまうと、ワーファリンを服用していると、血栓を形成する一部工程を阻害する作用(血液が固まらないようにする)があることは間違いないことです。

その結果として、ワーファリンの作用によって、血栓を左心耳内に引き留めておけなくなった結果、大きくなりきる前の血栓をリリースしてしまうから、塞栓の原因となる血栓は小さい、ということも考えられないわけではありません。

表面的な現象のみをとらえて、総合的な効果を判定、評価するのは極めて困難なことであり、その手の過ちを近代西洋医学はいくつも犯してきたということは、紛れもない事実です。

そういったことから考えますと、ひょっとすると、僧房弁(左心室と左心房の間にある弁)、三尖弁(右心房と右心室の間の弁)という、心房と心室の間に存在する弁の、機械工学的、あるいは流体力学的には説明の難しい、複雑な腱索の存在もこういった問題に関係しているのかも知れません。

(僧帽弁の複雑な腱索)

この腱索については、良く判っていないからなのでしょう、日本医学特有の『解らないことには触れない』という主義によるものなのか、詳細図も解説もほとんど見つけることができません。

写真は学祖の遺品である心臓模型から撮ったものです。最近市販されている心臓模型では、ここまで腱索を忠実に再現している模型は見当たりません。

需要がない、つまり、講義や授業で腱索の詳細まで解説、講義することなど全くないから、不要であり、コストは掛けられないということになってしまっているようです。

この問題は非常に重要な問題ですので、何か新しい情報を入手第、また見解を述べさせていただきたいと思います。

(了)

 

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