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マスク拒否騒動乗客に有罪判決  時事28

約12分

マスク拒否騒動乗客に有罪判決  時事28

マスク拒否騒動乗客に有罪判決

  飛行機内のマスクの装着に関する騒動で、ピーチ航空機が緊急着陸、第1当事者は、後日大阪府警に逮捕されるという事件がありました。事件発生は2020年9月とのことですが、逮捕されたのは翌年1月のことでした。

その1審判決が出ましたので、評価を含めた私見を述べさせていただきたいと思います。

事件をざっとおさらいしますと、航空機内でマスクを着用していない奥野淳也被告に対して、近隣座席の乗客から客室乗務員(CA)宛に装着を促すようにとの苦情があり、CA が奥野容疑者にマスク着用をお願いしたところ、奥野容疑者はこれを拒否、押し問答の末、もみ合うような事態に至る過程で、女性客室乗務員が負傷した、という事件です。

その結果、機長は途中空港に緊急着陸すべき事態であると判断し、緊急着陸をさせるに至った一連の行為が、『威力業務妨害』にあたるとして起訴されたものです。

判決は、懲役2年執行猶予4年という判決で、検察からの求刑は4年でした。

起訴内容、つまり犯罪容疑は『威力業務妨害罪』と『傷害罪』であるとのことで、多くの方が争点と思っているであろう『航空法違反容疑』では、逮捕も起訴もされていません。

このような事犯の場合には、「当該航空機の安全を害し、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産に危害を及ぼし、当該航空機内の秩序を乱し、又は当該航空機内の規律に違反する行為のことを安全阻害行為」と定義されている、航空法73条の3が適用されるべきと考えるかと思うのですが、検察は航空法を適用せず、『威力業務妨害』容疑で起訴したということも、本質をあいまいにする結果となっています。

それはそうです。奥野被告にマスク着用を実質的に強要するようなCAの行為がなければ、何事もなかったであろうことは明白であるからです。

三段論法というやつです。警察官が任意の職務質問と称して取り囲み、行動を制限して、あまりにしつこいから警察官の身体を押したりすると、その時点で『公務執行妨害』の現行犯で逮捕する、という手口と同じです。

私自身は、徹底的な反権力思想という訳ではありませんから、そういった一部、実質的には脱法的な行為が、未然に反罪を抑止してくれているということも事実であり、完全否定する訳ではありませんが、あまりに行き過ぎた脱法行為、司法のやりたい放題まで容認する訳にはいきません。

航空法の安全阻害行為条項違反の方が罰則としては軽い(50万円以下の罰金刑が最高刑)ので、無理やり、一罰百戒といった意味も込めて威力業務妨害罪で起訴したものなのか、安全運航を阻害した当事者とは言えないという判断で航空法違反は見送ったのかは、担当検事に聞かない限り判りません。

優秀な弁護人に依頼すれば、判決も違ってきた可能性が大きいものと思われます。

判決後に弁護人による「不当判決」といったような記者会見もありませんでした。

本人は相当な変わり者ではあるようですが、東京大学法学部卒、博士課程にまで進んだものの、修了はせず、最終学歴は法学修士となっています。

相当頭の良い人のようです。

しかしながら、法廷弁護士の経験がある訳ではありませんから、実際の法廷戦術には十分な経験、知識はありません。

みすみす、検察の筋書き通りの判決が出てしまった、といった印象です。

被告の性格からして、国選なのか、私選なのかは不明ですが、たぶん担当弁護士も馬鹿にして、まともに協議しなかったか、弁護人が本当に無能であったか、被告の性格に嫌気がさして、弁護人自身がやる気を失ったかのいずれかでしょう。

まさか、代理人(弁護人)を選任しなかった、ということはさすがになかったのではないかと思いますが、報道されないので判りません。

判決内容

実際には、暴行罪は成立するけれども『傷害罪』に対する判決は無罪であり、争点は『威力業務妨害』のみに絞られた結果の判決です。

暴行罪では起訴されていませんから、いくら裁判長がそう述べたとしても、暴行罪そのものは全く問題にされていない、ということになります。

威力業務妨害罪も立証は極めて困難であったはずで、適切な反証が出来れば完全無罪を勝ち取ることができたでしょう。検察が控訴するかどうかは別として。

報道によれば、威力業務妨害罪が成立する根拠として、検察官は被告の行為が客室乗務員らの業務を妨害し、多数の乗客を危険にさらしかねなかったと批判、主張し、その主張が判決にも反映された形となっています。

しかし重要なポイント、少なくともその時点ではピーチ航空の運送約款には「機内におけるマスクの装着義務」は定めておりませんでした。現在でもそうなのか、運送約款を変更したのかは調べがついておりません。

あくまで、任意のお願いに対して同意しなかった、従わなかったからと言って『威力業務妨害』罪が成立するというのは、無茶苦茶な論理です。

被告の性格からして、航空会社カウンターにおける搭乗手続時や、安全検査時、搭乗時はマスクを装着していたとはとても考えられません。

また、被告自身が機内を徘徊する等の直接的な妨害行為は一切なかったようですし、その奥野被告の座席を客室乗務員が取り囲んで、いろいろと強要しようとしたような状況であり、さらには、周囲の乗客も一体となって威圧するような状況であったようで、奥野被告に『威力業務妨害』を問うのは、かなり無理がある、と考えるのが相当です。

被告はマスク非装着であっても、搭乗可能と判断した、どころか、全く問題はないと判断して搭乗したと考えられるのですが、それが機長でも、航空会社でもない、一般乗客である第3者の苦情によって、機内に着席後どころか飛行中に、突然マスク装着を実質的に強要されるということは、どう考えても理不尽であると言えます。

説得すべきは苦情を申したてた乗客であって、奥野容疑者であってはなりません。つまり、本件は、航空会社に非があると言わざるを得ません。

しかも、ここまでの話で、マスクの有効性に関しては全く言及していないことに注目していただきたいと思います。

ここまでの論理は、マスクがかなり有効な防疫装具であるという前提での話ということになります。

マスクの有効性が巷で考えられているより、はるかに低いということを前提とするならば(私はそういう見解ですし、専門的学者でもそういった見解は明らかに増えています)、奥野被告をはじめ、他の乗客に謝罪しなければならないのはピーチ・アビエーションであって、奥野被告やその他乗客に対して損害賠償すべきレベルの話です。

馬鹿な文筆家による批判

 私は、その存在すらまったく承知していなかった文筆家ですが、ペンネームが日野百草という方がいまして、その方がメディア・バーグという会社が主催する『Merkmal(メルクマール)』という交通、運輸、モビリティ産業のビジネスニュースメディアと称する媒体に一文を寄せています。

その題名、内容は、『「マスク拒否ばかりを論じるな!ピーチ運航妨害の主題は「航空法違反」と安全阻害行為だ。」という文章が掲載されています。

掲載年月は、2022年12月18日となっていますので、事件発生直後ではなく、判決後のことです。

題名を見ていただいてもお分かりのように、航空法違反では起訴されておらず、あくまで威力業務妨害罪で起訴されたことはすでにご説明しました。

まったく事前の下調べもせずに論述しているものやら、基礎的な法知識がないからなのか、起訴内容が『航空法』違反であると決め込んで、勝手な論理を展開しているように思えます。

ひょっとしたら、大阪府警の逮捕容疑は当初『航空法違反容疑』であったのかとも思い、昔のニュース記事を調べてみましたが、最初から大阪府警の逮捕容疑は『威力業務妨害罪』及び『傷害罪』でした。

逮捕も緊急着陸当日ではなく、4か月も後のことでしたから、どの法律なら立件可能か、有罪に持ち込める可能性が高いかということを、各方面と十分に打ち合わせしたうえでの逮捕状請求であったと思われます。

つまり、当初から、航空法違反容疑を問うのは無理、ということが司法関係者の中での合意であったということです。

勘違いなのか、誤解なのか、まったく文筆家としてはお恥ずかしい限りで、このようなお粗末な一文を掲載してしまった媒体も、ロクな媒体ではない、と自ら告白しているようなものです。

日野氏本人の文中でも、『機内で指示に従わず、さらに客室乗務員の女性に負傷させて運航を妨害したとして、傷害罪や威力業務妨害罪等の罪に問われた男の裁判』と記述しているくせに、『ピーチ運行妨害の主題は“航空法違反”と安全阻害行為だ』という、表題はいったい何を言おうとしているのか、意味不明とも言えるお粗末な文章です。

「起訴容疑が違うだろ~」、と検察を批判する主旨であれば判らないでもありせんが、一番恥ずかしいのは著者本人で、「恥を知れ~」というやつです。

最近は事実関係すら十分に調べずに、いい加減な調査、本人の思い込みだけで、勝手に、しかも多くの場合は政府の方針を盲目的に支持するような形で、批判し、論評する文筆家や評論家が増えているようで、世も末といった感じです。

大学が増えれば、平均的な大学教授のレベルが下がってしまうように、インターネットの普及で媒体が増えれば、執筆陣のレベルが下がってしまうのも、ある面やむを得ない、とは言えますが。

なぜ?他の当事者にはインタビューしない?

 奥野被告は相当回数、マスコミの取材に応じていますが、解せないのは、もう一方の当事者、苦情を申し立てた乗客、CA、機長等に取材しようとする姿勢がまったく見られないことです。

どうも機長は、奥野被告の席には行っていないようです。普通、大きな問題(対象者が暴れているような場合を除く)であれば、機長なり、副操縦士が現場に行って当事者とも面談しあるいは観察して、確認すべきなのですが、現場には臨場した形跡はありません。

基本的には、CAからの報告だけで緊急着陸の決断をしたということになるのですが、よく考えてみればそんなはずがありません、絶対に。

今にも、重大事故、事件に直結する可能性がある緊急事態(すでに機体がコントロールを失っているといったような)ではありませんから、機長はCAの報告に基づいて、本社の運航管理責任者に対応を相談していたはずです。いや確実に報告、相談しています。

そこで、どういう判断によって、緊急着陸(余計な費用が掛かることは言うまでもない)を指示、あるいは許可したのか?ということが本来ならば焦点になる訳ですし、そうでなければなりません。

本社の当日の運行管理者、機長、CAの三者が取材は拒否したのであれば、取材は拒否された、と報道すべきですし、それぞれが、興奮状態の当事者(CA)からの、伝聞情報だけで、単なる堅気の変わり者を『前科者』にしてしまった訳ですから、特異な性格の人間をからかい、面白がるだけでなく真摯な姿勢で取材に臨むべきでしょう。

またまた、マスクの有効性について

 他の文やYouTube動画で、再三マスクの有効性に対する疑問に対しては見解を述べてきましたので、本稿では、マスクの性能、能力等について詳しく述べることはいたしませんが、周囲のマスクを装着させろと迫った、他の一般乗客の動機について考えてみたいと思います。

マスク装着を要求した乗客、苦情を言った乗客は、まさか、奥野被告がコロナに感染したら気の毒だから、装着を客室乗務員に促すよう要求した、ということも単純な可能性としては排除できませんが、それはあり得ないでしょう。

そうなると、奥野被告が万一感染していた場合に、自分にも感染してしまう可能性がある、という恐怖感が動機であった可能性が一つ。

自分だって、着けたくないマスクを着けて、苦しいのを我慢しているのに、奥野被告はずるい、という感情であるのか、あるいは、マスク警察的な、権力の代理を勤めることによって、満足感、充実感を得るという、合法的な弱い者いじめを楽しむといった、困った性格の人物であるかのいずれか、ということになるかと思います。

そうなりますと、ピーチ・アビエーションのCAが行うべきであったことはただ一つ、他の乗客からの苦情が出ていることを奥野氏に一応伝える、ということが奥野氏に対して許される行為の限界です。

くどいようですが、マスク着用は運送約款には存在しない条件ですから、実質的な強要をすることは許されません。少なくともその時点では。

そういった苦情が出た場合は、奥野氏に執拗にマスク着用を強要し続けるのではなく、苦情を申し出た乗客に対して、航空機内の換気の状況を説明し、マスクなどしていなくても感染のリスクはまったく無いに等しい、ということを説明して騒動を避けるべきであった、ということです。

以前にも、この問題で述べたことがあると思いますが、航空機は国内線であってもよほどの短距離でない限り、高度1万メートル以上を飛行しますから、外気温はマイナス45℃程度であるのが普通です。

つまり、何もしなければ、極めて短時間に全員凍死してしまいますから、飛行機は常に強力な暖房をしています。

どうやって暖房しているかというと、ジェットエンジンのファンで圧縮した高温、高圧空気(本来は、ジェット燃料の着火、爆発的燃焼用)の一部を外気とミックスして機内に導入しています。

関係資料によれば、ジェットエンジンが作る圧縮空気の温度は最近のエンジンでは1300℃程度とのことです。

そういった仕組みですから、多くの資料によれば、航空機内の空気は2~3分で完全に入れ替わると説明されています。

つまり、仮にスーパースプレッダー的な感染者がいたとしても、少なくとも機内のごく一部エリアであっても、空気感染が起きる程度のウイルス濃度に達することは絶対にないと言えます。

また、その当時、圧倒的な主力感染経路とされていた『飛沫感染』にしても、奥野容疑者は『マスク不要論』の演説をしながら機内を歩き回っていた訳でもありませんし、引きずり降ろされるまでは、前を向いておとなしく座っていたわけですから、他の乗客に飛沫を浴びせる可能性すらありません。

じゃあ、何でそんな目に合わなければいけないの?ということになるのですが、一つには彼の性格でしょう。

勉強はものすごくできるし、成績も抜群ではあるけれども、軽度の発達障害があるような特異な性格で、いじめの対象になりやすい、ということです。

政府の誤った、まったく科学性を欠く主張『マスク、手洗い、三密回避』といった、三重要対策のうちの二つは呼吸器感染症には何の役にも立たないことばかりを推奨し、換気の重要性も、『換気』ではなく『三密』ということで、あくまで飛沫感染が主力だと、絶対に誤りを改めることのない姿勢が、尻馬に乗りやすい、いじめっ子的性格の連中にとっての快適な世の中にしてしまっています。

教育現場であれば、「馴染みにくい、特異な性格だからと言って、いじめるようなことがあっては絶対にならない」ということは、言うまでもなく常識のはずなのですが、新型コロナウイルスの話となると、まるで、これだけは別、国策だからといったように容認されてしまいます。

不当な刑事罰まで課して。

まったく合理性、科学性のない出鱈目であっても、世論を利用して、マスコミまで協力して、義のまったくないことでも、是としてしまう、無理を強引に通してしまう世の中というものは、軍国主義者が衆愚政治によって、国をコントロールしたナチスの軌跡と同じ、と言ったら言いすぎでしょうか?

 

 

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