オミクロン株の
主たる死因は基礎疾患の悪化?
まず、明確にしておかなければならないことは、ここで言っている『基礎疾患』とはどのような疾患、病気かということです。
例えば、『高血圧症』という疾患も、現在では平常時に最大血圧140mmHg 以上あるいは最小血圧が90mmmHg以上の人が付けられてしまう病名で、平常時にこの値に該当する全員が病人であり、薬剤治療、降圧薬処方の対象ということになっています。
高齢者の半数近くは、複数種の降圧薬を併用してない限り、これに該当してしまうのではないかと思いますが、それでは、オミクロン株に感染すると血圧がさらに著しく上昇して、血管でも破裂するのかと言えば、もちろんそんなことは100%ありません。
常々申し上げているように、脳動脈瘤ができていない限り、脳血管が破れることは絶対にないからです。
確立した医学用語として「基礎疾患一覧」などというものは存在しませんが、厚生労働省では、ワクチン接種条件に関わる『基礎疾患』、つまり優先的に接種すべ方々として、以下のような方々を指定しています。
(1)下記の病気や状態の方で、通院や入院をしている方
- 慢性の呼吸器の病気
- 慢性の心臓病(高血圧を含む)
- 慢性の腎臓病
- 慢性の肝臓病(肝硬変等)
- インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
- 血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く)
- 免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)
- ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
- 免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
10.神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
11.染色体異常
12.重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
13.睡眠時無呼吸症候群
14.重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持している場合)
(2)基準( BMI 30 以上)を満たす肥満の方
となっています。
このBMI(Body Mass index)とは肥満度を示す指数で、BMI30以上に該当するのは以下のとおりです。
身長(cm) | 体重(kg) |
150 | 67.5 |
155 | 72.1 |
160 | 76.8 |
165 | 81.7 |
170 | 86.7 |
175 | 91.9 |
180 | 97.2 |
185 | 102.7 |
※体重が各々の表示 数値以上であれば BMI 30以上 |
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もちろん、言うまでもありませんが、オミクロン株に感染したからといって、さらに体重が増加するわけではありませんし、血糖値がコントロール不能なレベルにまで上昇するわけでもありません。
ですから、正確には『持病が悪化する』という訳ではまったくありませんし、染色体異常を持つ人、例えば血友病やダウン症の方々は優先的接種した方が良い、ということを言いたいようですが、血友病の方のオミクロン感染時の死亡率など、まだ数字が出ているとは、とても考えられません。
ダウン症の方々や重度の精神疾患、知的障害の方々の場合には、感染対策を守らせることが困難ではないか?ということなのかもしれませんが、一般的にはダウン症の方の性格は平均的に素直(知的障害者の多くもそうです)だということですから、これも、実態を知らない厚生労働官僚の適当な想像による作文ということであると思われます。
ワクチンの有効性もかなり限定的であり、現在の感染症対策も根本的に誤りがある、という前提に立つとするなら、全くナンセンスということになります。
判らないことは、『判らない』と言ってもらったほうが、はるかにありがたいのですが……。
本当の死因
オミクロン株が圧倒的な主流となり、症状的には平均して明らかに軽症化しているはず、例えば肺炎に至る人は明確に減少しているにもかかわらず、死者数(絶対数)は増加傾向にあるという現実に目を向けなければなりません。
死亡者は、圧倒的に高齢者、基礎疾患を有する方々の比率が高い訳ですが、これは単純に考えれば、COVID-19に感染、発症によって、体に負担がかかるからであり、生命力の弱まっている人は死亡率が高くなる、という非常に単純なことであると考えられます。
くり返しになりますが、各々の『基礎疾患』の症状を具体的に悪化させる状況というのは極めて限定的です。
例えば、もともと心不全傾向があり、発熱によって心拍数が長時間に渡って上昇、その結果として心臓が停止してしまう、つまり致命的な心不全を起こすという機序です。
ご高齢になると、運動能力は低下します。心肺機能の低下に見合った筋肉量に落とすことによって、筋肉の最大血液要求量を制限するからです。
心肺能力を上回る骨格筋への血液供給能力を保持し続けている(つまり無理に筋肉量を維持しようとすると)と、何らかの事情で本人の心肺能力を上回る血液供給を行うと、その結果として心臓の持つ能力の限界を超え、心臓が停止してしまうことがままあるからです。
本能というのは偉大なもので、その時点における心肺能力に合わせて、骨格筋の能力を低下させ、過重な負担をかけることによる心不全発症を防ぐという調整をしてくれるのです。
ですから、日常生活には何の支障もないような、例えば百歳近いような人を無理に走らせると、本当に死亡してしまうことがあります。
もちろん走らせると言っても、外形的には早歩きにしか見えないような走り方なのです。それでも、本当に死亡してしまうことがあります。
相当な高齢者に肉体的な無理を強いることは、本当に禁忌です。絶対にさせてはいけません。必死に走って、何とか津波は逃れたけど、気づいたら一緒に避難してきた父親や母親が死んでいた、などということが本当に起こるのです。
もちろん、一定レベル以上の肥満体の方も、常に心肺に余計な負担をかけていますから、高齢者と同じ状況に陥りやすい、ということが言えます。
では、どうする?
西式では基本的には解熱剤の使用に対して、公表当初から否定し続けています。それは自然な免疫反応の発現を阻害しているだけと考えるからです。
現代医学においては、一時は解熱剤使用に否定的な見解が増えていたように思うのですが、今回の新型コロナウイルス感染症では、その対策については『感染症学』、『公衆衛生学』の医師、研究者が主流となっていますから、どうも30~50年くらいは医学常識を後退させてしまったような感があります。
ワクチンの副反応による発熱でも、実際に感染しての発熱でも、解熱剤を服用して良いといった方針となっており、使用薬剤としては『アセトアミノフェン』(商品名=カロナール等々)を推奨しています。
『アセトアミノフェン』は、現在市販されている総合感冒薬、鎮痛解熱剤の主薬剤ですが、副作用は非常に少ないものの効果もかなり弱いという、アリバイ的処方には最適な薬剤です。ということは、本当に解熱、鎮痛効果を期待するなら十分とは言えず、気休めに近いようなものです。
発熱による高体温、心拍数増加が直接的死因であるとするなら、本当に体温を下げる必要があることになりますが、極めて作用の弱い、ほとんど効果がないに近い薬剤を推奨していいます。
副作用によって、後々寄せられるであろう苦情、非難を恐れたからなのでしょうか。発熱による心肺機能への負担増が死因の大きな要素になっているのだとしたら、ここは本気で熱を下げなければなりません。
そのためには、つまり単純な解熱作用を期待するなら、『アスピリン』の方がはるかに有効です。
商品名としては『バファリンA(ライオン)』、『バイエル・アスピリン(佐藤製薬)』、『エキセドリンA錠(ライオン)』、『バファリン・ライト』の4種類がありますが、日本ではアスピリン含有市販薬は、その4種類しかないようです。
バイエル・アスピリンは純粋なアスピリ製剤で、胃粘膜の保護作用成分(後ほど解説)が含まれていません。ライオンの3製品はすべて胃粘膜保護成分が含まれています。
なお、その他の派生バファリン(バファリンEX、バファリン・ルナ、小児用バファリン等)には看板成分であるはずの『アスピリン』は使用されておりません。
『アスピリン』の副作用が強すぎて、『バファリン』を名乗りながら、後発の派生製品には『アスピリン(アセチルサリチル酸)』は使用されていないのです。
アスピリンの副作用
アスピリンは、重篤な消化管障害を起こすという副作用が知られておりまして、現在非常に多く処方されている『バイアスピリン』(血液凝固抑制=俗にいう“血液をサラサラにする薬”)も、主成分はまったく同じで化学物質名称としては『アセチルサリチル酸』です。
この『バイアスピリン』を処方する時には、同時に『H2ブロッカー(市販薬名:ガスター10)』や『PPI=プロトン・ポンプ・インヒビター(医家向専用処方薬)』のいずれかが処方されますが、両者とも強力な胃酸分泌抑制作用を有する薬剤で、重篤な消化管傷害を予防するためです。
アスピリンを連続処方、服用することによって、消化管粘膜はただれさせるし、消化管内pH はめちゃくちゃになるから、他の薬剤も併用せざるを得なくなる、ということで、どうも、医療機関では鎮痛解熱剤としては『アスピリン製剤』は処方しなくなったようです、というより医家向け処方薬としては存在しなくなったようです。
消化管に対する傷害作用というのは相当なもので、日本で行われたメタ解析データによると、血液凝固抑制(抗血小板作用)による血栓障害(心筋梗塞、脳梗塞)に対する有効性を考慮しても、消化管出血リスクの増大を考慮すると、使用すべきでない、という結論が出てしまったくらいです。
ただ、ここで出た結論は、抗血小板作用を期待して、低用量(バイアスピリンとしての処方)であっても長期連用すべきでない、というものでして、短期的な解熱作用を期待しての服用であれば、目立つような副作用が出るわけもありません。
何と言っても、米国ではこのアスピリンは120年以上の使用実績があり、アメリカ人には多いと思われる、慢性的な片頭痛に対する常態的服用にはリスクがある、ということです。
頓服薬的に解熱剤として使う分には、副作用はまったく気にする必要もないと思われます。
というわけで、結論を整理して申し上げますと、高齢の方、基礎疾患のある方、肥満体の方で、コロナに感染して高熱が出て(本当はコロナ感染でなくても、ですが)しまい、心拍数が継続的に上昇してしまっているような時(パルスオキシメータで、心拍数も表示されます)は、解熱剤としてアセトアミノフェンを服用させるより、アスピリン製剤を服用した方がずっと結果は良いはずだ、ということです。
基本的に解熱剤の使用は避けるべきなのですが、発熱、心拍数、呼吸数の増加が続く場合には、とにかく熱を下げて心肺機能の負担を減らすことを優先させるべきである、ということです。
手術等で身体を傷つけることは基本的には避けるべきなのですが、手術をしないと回復前に生命を失ってしまう可能性が高い、というときにはためらいなく手術を受けるべき、というのと同じことです。
ワクチンの影響も?
これを言うと、反社会的人間、団体とされてしまいそうですが、私、時々冗談で、我々自身のことを『広域指定健康法団体』などと反社会勢力的なイメージの名称で呼んでいるのですが、いずれ本当に反社会的団体に指定されてしまいそうです。
それでもあえて申し上げますと、次のようなことが考えられます。
老化が進むと、細胞再生、複製が上手にできなくなってきます。もちろん、その中には1万種以上に及ぶという、体内で合成している『酵素』も、必要な種類、量を完璧には造れなくなってしまうと考えられます。
老化は抵抗力、免疫力低下の原因になるわけで、それは例えば、十分な量の抗体を造れなくなる、あるいは一部酵素を充分量合成できないことによって、能力が低い免疫細胞が混じってしまう、といったようなことが考えられます。
そこに、ワクチンに含まれるコロナウイルスの人工疑似スパイクタンパクを体内に注入されると、新たな、従来は産生していなかったたんぱく合成を強いられます。
その結果として何かやはり重要なタンパク質なり、免疫細胞の一部を十分に造れなくなる、といったことが考えられ、それは老化がより進行した状態と同じであると考えることができます。
つまり、弱毒化したはずのオミクロン株ではありますが、ワクチン接種(人によっては帯状疱疹ワクチンまで追加接種されて)によって、実質的に老化が進行してしまい、肺炎など起こさなくても死んでしまうことが増えてきた、ということではないでしょうか?
コロナワクチン感染が、世界的、社会的に問題になっていなければ、軽い風邪を引いただけだけど、高齢であるがゆえに亡くなってしまった、ということで、つまり『老衰』を早めた結果亡くなったようなものなのですが、それも現在はCOVID-19の死亡者にカウントされてしまっている、と考えるのが一番妥当ではないでしょうか。
ワクチンによる予防効果は極めて限定的、ということを専門学者も認めざるを得ないのが現状ですし、重症化予防(「入院リスクを下げる効果」という曖昧な条件設定が欧米で用いられるようになった)についても、ウイルス自身の弱毒化(または増殖に利用しやすい宿主細胞の変更)によるものなのか、ワクチンの効果によるものか、まだデータはほとんどありません。
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