スポーツマンの健康法

スポーツマンは、競技のさいに、異常な肉体的努力が要求さられる。スポーツの種類に応じて、使用される筋肉骨格などは異なり、また、競技にさいしては、その頭脳の作用が、勝敗に直接結びつくことが多い。そこで、スポーツマンの健康法は、これら局部的に緊張する筋肉骨格などの過労を防ぎ、頭脳が機敏にはたらくようにしなければならない。したがって、西医学における一般的健康法は、みなスポーツマンの実践すべきものであるが、特に毛管運動は、各種スポーツを通じて、必ず随時随所において実行すべきものである。

練習、または競技の間において、寝るときは必ず平床破枕を用いるべきものである。競技の前後における金魚運動、毛管運動は、身体を柔軟にし、疲労を回復する。特に、競技の後、または中間においての三~五分間の毛管運動は、疲労を全く回復して、また新たなる元気をもって競技に立ち向かうことができるのである。

選手は、一般に身体強健なる人々であるが、練習または競技において、身体を傷害することが多い。特に足の故障は、選手生活にとって重大なる問題である。これは、毛管運動の後の足先の扇形運動と上下運動、それが終わってまた毛管運動をすることはこれを矯正し、いつまでもその健康を維持し、その選手たる名誉を誇ることができる。

足の健康はまた、訓練によって強化することができる。すなわち、天井からつるした重りを、あおむけで垂直にあげた足の裏に載せて、一分間六十回の速さで、脚を伸縮上下するのである。重量は、初め一貫目(3.75kg)くらいから、できるにしたがって百匁(375グラム)ずつ六貫から十貫目(37.5kg)、最後は体重の四分の三に増やしていくものである。そうすると、脚はきわめて強くなり、脚を用いるあらゆるスポーツに対し、新記録を作るであろう。ことランニングに対しては、画期的なレコードの基となることを疑わない。

また、この重量の上げ下げを腕をもって行なうならば、腕をもってする投球、円盤投げ、槍投げなげなどに新しい記録を作るであろう。腕の場合は、おおむね六貫目(22.5kg)くらいまででよろしい。

スポーツマンは、左心室の拡大をきたすものである。これは、毛管運動を行なうことによって防ぐことができる。

また、神経痛やロイマチスに冒されることがある。これは、朝食廃止、生水の飲用、平床硬枕などで克服することができる。温冷浴も、実行しなければならない。

虫垂炎もまたスポーツマンを苦しめるものである。これは、便秘が原因であるから、生食の併用、生水の飲用、金魚運動などで予防できる。 胸部疾患、すなわち肋膜および結核は、発汗に対する処置の誤りと、食物の不正とが原因である。極端な酸性食を避け、発汗にさいしては水分、塩分、ならびにビタミンCの補給を生野菜または柿の葉の煮汁から取らなければならない。

いわゆるラグビーなどの、肉弾相うつ激しいスポーツは、身体の柔軟性がきわめて必要である。常に健康診断五方法などを練習し、身体中どこでもこわばりやとう痛を覚えるところのないようにせねばならない。

平常座位で勤務しているような人が、たまの休日に急激な運動を行なうことは、健康上有害である。とくにスキーなどは、段階を踏んで本格的スポーツに入るようにしなければならない。

スポーツによって、骨折、筋肉炎症、アキレス腱の切断などが起こるのは、生食、生水の不足、ビタミンCの欠乏が原因である。ゆえに、スポーツマンは、平素適当に生食し、生水を飲み、ピタミンン Cを補給して、そのような事故を未然に防止しなければならない。

要するに、スポーツマンは、特に心身に過激なる衝撃を与えるから、平素特に西医学健康法を実行し、常に完全なる健康状態を保たねばならない。こうすることによって、各種の世界記録は樹立せられ、長年にわたってその体力が衰えず、選手としての寿命も長いであろう。また、スポーツをやめた後に、種々の疾患に冒されることもなく、よくその天命を全うすることができる。

要するにスポーツマンとしては、毛管運動で四肢の強健を図ること。そして、試合前後の処置としてもっとも重要なのは生食、生水、ならびに発汗に対してである。