子供の健康法

生まれて一年以内に病気にかからない子供は、その後においてもきわめて健康である。この一年間は哺乳の期間であるから、その良否は結局母親の健康である。もしも母親が、私の西医学健康法を充分に理解し、これを妊娠中から、もっと完全には妊娠以前から実行されるならば、妊娠中につわりも起こらず、胎児位置異状もなく、妊娠腎などというものもなく、脚気、風邪その他の疾患にもかからないから、胎児の発育も順当であって、その出産もまた安らかである。

そのような人は出産後、乳汁の分泌は豊富であって、その成分は満足すべきものであるから、これによって育てられる乳児が病気にかかるわけはないのである。

しかし、そのような理想の状態は、現今のような西医学普及状態では望めないから、いろいろな故障の発生を防止することができない。したがって、子供に対して特別の考慮を要することになるのである。

子供といえども、生まれてからただちに平床上に寝かす必要がある。平床上に綿毛布一枚、その上に敷布一枚くらいが、目下のところでは上々であるう。枕は、十歳くらいまではなくてよろしい。寝衣は、浴衣かガーゼ類、腹の部分がくり抜いであれば理想的である。オムツは薄いのがよく、再々おしっこをやって、オムツを常に乾かしておくと、その泣声によって両便が判断できるようになるから、オムツに両便をしない習慣がつき、夜尿などの悪習慣を防止することができる。

子供は、健康でさえあれば常に活動的であり、体液は常に酸に勝ちすぎる傾向がある。これを回復するために、子供は熱睡し、かつ長時間の睡眠を要するのである。したがって、その食物は主としてアルカリ性のものが多いのがよろしい。すなわち野菜食を主とし、鶏卵、魚肉、獣肉(牛豚、鶏など)は少ない方がよい。また砂糖を過食させないことが必要である。参考のため白砂糖の許容量をつぎの表に示す。

 

 

 

たとえば、体重二十キロの八歳の子供があるとすると、その子供の一日の白砂糖許容量は

0.3g×20=6g

となるから、一日六グラムを超えてはならない。六グラムといえば、角砂糖一個分の重量である。すなわち、角砂糖一個以上は、この子供には与えてはいけないということである。

赤砂糖はこの二倍、黒砂糖ならばこの三倍まではさしつかえない。

ゆえに甘味の必要なときは、蜂蜜を使ったらよいと思う。これなら、甘いていどでさしつかえない。牛肉、マグロなどその子供の素手で殺せないような大きな動物の肉を食べさせると神経質となって丈夫に育たない。小魚を骨のまま食べさせるのがよく、イリコの頭の粉末を子供なら隔日に三匹、大人ならば同じく五匹くらいを粉末にして与えると、数学的に優秀な頭脳の持ち主となる。

硬枕は、十歳くらいまでは必要なく、それから上は、枕を用いたほうがよい。

子供でも、朝食廃止の二食がよく、赤ん坊でも、午前十時半まではお乳を飲ませないようにする必要がある。

板に寝て、温冷浴をやると、自然薄着の習慣がつき、皮ふが丈夫となって、めったに風邪を引かなくなる。

常に便通に注意し、便通が少なくなると、風邪を引いたり、熱を出したり、嘔吐を催したりする。こんなときは、時を移さず微温湯300㏄くらい注腸して浣腸するのがよい。

いままで元気に遊んでいた子供が、急に元気がなくなり、畳の上などに寝ころぶのは、疫痢の疑いがあるから、こんな場合にはすぐさま微温湯を浣腸すること。そうすると一時間くらいで元気を回復する。

便秘して、清水を飲まないと、夏季脳炎にかかりやすい。便通がよくつき、腸内に停滞がなければどんな病気にもかからない。

ジフテリアなどの症状を示すのは、足の故障からである。せきをしだしたならば、足首の交互浴法をやり、浣腸して排便をはかり、葉緑素を三倍くらいに簿めてウガイする。胸部とのどにカラシ泥を貼るのである。こうすると、大事に至らずして、ほどなく健康を回復することができる。

自家中毒で、重態になったても、生の五種類の野菜をすりつぶして、その絞り汁を与えて、みごとに回復した実例がある。

子供といえども、六大法則を熱心に実行することによって、健康を築き上げ、病気にもかからず、また病気も治るのである。

子供が健康で病気にかからなければ、その死亡率を減少し、平均年齢は大幅に上昇する。

子供には、極力生の清水を飲ませるべきである。過食、なにか悪いものを食べたときなども、知らぬ顔で水さえ飲ませておけば、大事に至ることはない。子供と水、きわめて重大であるということを認識しなければならない。子供には、その欲するままに水を飲ませてきしつかえない。

子供の病気は、水と金魚運動でたいてい治る。また、なにか症状をあらわしたときは、まず微温湯で浣腸を実施すべきである。

下痢しても、水を飲ませるときは、きれいに治る。

寝冷えするとて、むやみに腹に巻き立てることはよくない。腹部はむしろ露出して、寝かせるべきである。

二十歳くらいまで、靴は編上げが理想である。こうして、足の故障を防ぎ、病気を未然に防ぐ。