婦人の健康法

婦人も男子と変わりない

 

婦人だからといっても、男子と特別に異なった健康法のあるべき道理はないのである。しかし、古来医術に婦人科なるものがあって、なにか婦人を人間と変わったものとして取扱う習慣になってきたため、いろいろ婦人特有のことがらが考えられるようになってきたから、西医学としても別に一章を設けねばならないことになったのである。

婦人は、その生理上月経があり、妊娠があり、したがって分娩と育児がある。しかし、これらはみな生理的であって、病気ではないのである。もしも、婦人が私の主張する西医学健康法を実行するならば、婦人科などは無用の長物である。

ところが、婦人についても正しい指導が行なわれていないから、いろいろ複雑なる疾患を作っていくのである。いまこれらについて、若干の注意事項を述ベるこにとする。

 

 

ズロースのこと

 

第一に注意すべきことは、婦人のズロースである。人体中会陰部は、もっとも有毒ガスを放出するところであるから、この部分は、一番空気の流通をつけておかなければならない。四足動物においては、この部分は鼻や口とは最も距離の遠いところにあり、しかも空気の流通の最もよい構造であるから、自然はこの部分に毒ガスの排出口を作ったのであるが、人間は進化の途上あいにく直立し、かつ衣服をまとったために、この部分の空気の流通を妨げ、かつこのガスは衣服と皮ふとの間を通ってあごの下に出でくる。それを鼻から常にこのガスを呼吸し、なおさらに皮ふからも再吸収してしまう。

西洋文明の流行しない昔は、婦人はただ腰巻を用いるだけで、この部分は空気の流通がよく、歩行、立居振舞によって、空気は常に交換され、かつ幅広の帯をもってその直上を防止していたから、現在五十歳以上の婦人にへんとう腺や子宮発育不全などの疾患はほとんどない。ところが、少女時代から洋装するようになって、ゴムひもなどでももを締め、空気流通のきわめて悪いズロースが流行し、その上、帯を用いないから、ガスは煙突作用によって、上昇し、呼吸にしたがって吸入される。さらにズロースの中はこれら濃厚なガスが常に存在するために、これが再吸収されて、種々の婦人科疾病を起こすのである。そこで、ズロースはそのももの部分でなるべく大きくし、ゴムヒもなどで締めないようにし、歩行や運動によって、充分な換気を計らねばならない。

 

 

正しくすわることなど

 

婦人は常に正しくすわるべきもので、横尻にすわることは、腰椎をわん曲させ、このために子宮後屈、卵巣の炎症をきたすのである。特に朝夕一回ずつは、必ず合掌合蹠を行なうことは、各種婦人科疾患を予防し、さらに治療する上にも、きわめて必要なことである。

冬季婦人のスカートの短いのは、脚を冷やして、その血液循環を妨げ、腰椎の故障を起こして、無月経をきたしやすい。特に、立っていることの多い教育従事者に、この傾向が多いから注意しなければならない。これらも、朝夕毛管運動と合掌合蹠を行なうことによって防ぐことができる。

婦人は、子宮後屈または不妊症の手術後、腰が冷えたり、つっぱたりすることが多くなったと訴える人が多いが、そもそも子宮後屈も不妊症も合掌合蹠を行なうことによって、未然に防止できるので、そもそもが手術不要である。

二十五歳以上の未婚の婦人で、白帯下の多いのは、結婚すると治ることが多いから、迷わず結婚に進むとよろしい。

月経がないか、または少ない場合には、鼻血を出すことがある。俗に女の鼻血は喜べ、男の鼻血は脳いっ血の前兆であるという。これらは、合掌合蹠によって、防止することができる。男子の鼻血は、生食をやるか、食事を減らす必要がある。

婦人は、子孫繁栄の原動力であるから、身を守ること厳正に、純血を保持する責任がある。もちろん男子も、この責任より免れるものではない。

妊娠や育児については、別にまとめるつもりであるからいまは触れないことにする。

ハイヒールは、静脈の収縮を妨げ腓腹筋を収縮し、腰椎前湾症を起こさせるから、はかないのがよい。

靴のかかとや、下駄の片べりは、足の故障を示すものであるから、そのような人は速やかに西医学によって、これを矯正しておかないと、結核、腎臓の故障を起こし、カリエスなどの原因となるから注意していただきたい。