風邪は万病のもと

風邪は万病のもとといわれ、風邪くらい一般に普及し、しかも風邪くらい現代医学者がてこずっているものもない。風邪は予防法も治療法もないといって、全くバンザイしている。米国では、風邪の予防のみにでも、毎年十億ドル(日本円で三千六百億円)を支出しているということである。私のほうでは、風邪の予防も治療もできるのだから、これが二十五万円懸賞第四問として出した次第である。そこで、いまここにきわめて簡単に、風邪の予防法と治療法について申し述べる。

風邪の原因については、細菌説、ウイルス説などあるが、現代医学の定説ではない。私のほうでは、夏の間に発汗して、水分、塩分、ならびにビタミンCを失ったのが、適当に補給されていないと、足の故障を起こし、これが腎臓機能の不全となって、血液の浄化作用が充分に行なわれないから組織の活力が減退し、全身に血液が平等に循環せず、ところどころに停滞をきたすから、これを解消するために風邪を引くことになるのであると考える。その他、皮ふが弱く、体温調節が円滑にいかぬこと、足の故障のために、鼻やのどの粘膜が弱く、細菌などに冒されやすいこと、皮ふの機能が充分に作用しないために、肝臓の機能不全をきたし、腸に宿便が停滞して、体液が酸過剰になりやすいことなどもその原因をなすものである。

予防法としては、平素西医学健康法の六大法則を実行し、朝食廃止の二食主義を励行し、温冷浴や裸療法などによって皮ふ機能を正常にし、血液リンパ液の清浄を計り、発汗したときは、水分、塩分ならびにビタミンC(柿の葉の煮汁か生野菜などからとること、薬剤からでは有効でない)の補給を忘れず、暴飲暴食や過食を慎み、足の故障の補強と補正を怠らないならば、風邪などにかかることはないのである。

しかし、平素誤った生活のために、風邪を引くような体質の持主は、早々に風邪を引き、つぎに述べるような方法によって、きれいサッパリと治して、ふたたびこれにかかることのないようにするほうがよろしい。

なお、秋の初めから十一月、十二月にかけて、毎月一、二回からし泥湿布を、胸部およびのどに貼布することも、予防上よい方法である。さらに外出から帰ったときは、松葉杖にぶら下がり、清水でウガイをし、毎日生の清水を三十分おきに三十グラムずつ飲むことを励行することは、実行すべき良習慣である。

風邪を引いたときの手当ては、いろいろあるからこれをつぎに述べよう。

熱の出る前には、悪寒や戦りつを起こすが、このさいは寒さが必要なのだから、着衣を薄くして、充分に皮ふ血管および筋肉の収縮を起こさせること。このとき裸療法は有効である。

発熱して、体が熱いと感じたときは、なるべく冷やさぬように暖かに、安静にしていること。午前中は、足首の交互浴を行ない、午後三時以後に、脚湯法を行なう。脚湯法は、発熱後四時間ないし十時間において行なうべきである。発汗したら水分、塩分、ならびにビタミンC(薬剤からでなしに、生野菜とか、柿の棄の煮汁から補給すること)の補給を行なうこと。多くは一回の脚湯  で下熱するが、もしかえって熱が高くなったならば、三時間くらい間をおいて、脚湯を繰り返し実行すること。この場合、初めの一、二回は、食塩の補給を行なわぬこともある。

発熱したときは、まず胸部からし泥湿布をやっておくことは、肺炎の予防になり、安心である。

鼻カタルや口内の炎症、のどの痛むときは、就寝前浅い小さな器の類に冷水を入れ、これに後頭部を二、三分間ひたす後頭部冷却法をやるがよい。また、生の青い野菜の葉三種類以上を、大きな葉脈を抜いて、細かに刻み、これをよくすりつぶして、鼻カタルの場合は、その絞り汁を脱脂綿かガーゼにひたし、その炎症部につけて寝ると治る。口内やのどのときは、そのままうすめるかまたは絞り汁としてこれを三倍くらい薄めて、ウガイをし、そのまま飲み込むのが有効である。

また、からし泥湿布をするか、清水もしくは食塩水の湿布を、のどの痛い側にのみすることもある。時間は、三時間以上とすること。

せきの出るときは、直接風のあたらぬように寝室の空気の流通をよくし、胸部からし泥をやる。それでも出てきて困るときは、冷水湿布も効果がある。根本的には、脚湯法によるのが最も有効である。

発熱にさいしては、微温湯大人五百グラム、小人三百グラムを注腸して排便を計ること。腹部味噌湿布も有効である。

下熱したら、裸療法を行なって、皮ふ機能の亢進を図らねばならない。

発熱中は、常に生の清水をチビリチビリ飲み、柿の葉からのビタミンCをとらねばならない。

 

 

発熱とビタミンCとの関係

 

発熱の場合、その体温と柿の葉の所要煮汁量とを下に示す。

すなわち、三十八度五分の発熱に対しては、一日130~150ミリグラムのビタミンC

を消耗するから柿の業の煮汁一日50グラムを補給せねばならないということである。

 

 

第12表

 

 

風邪中の注意

 

熱のある問は、食事はむしろとらないほうがよいが、それができなければ、三十八度まではお粥に梅干くらいとし、三十九度も出れば重湯か、おまじりがよい。生野菜のすったもの、その絞り汁、果汁などはよろしい。しかし、果汁はあまり多くないほうがよい。

下熱しても、すぐに起きると、ぶり返すことがあるから、最小限、第十三表の日数は安静にやすまなければならない。

発熱時は、便所に立つこともやめたほうがよろしい。

断食するか、または流動食で長くいた後の食べ始めは注意して急激なる栄養補給や食欲にまかせての過食を慎まなければならない。一回の量は少なくても、回数が多くて量が度を越したのでは何にもならない。適量か、過食かは、一日二十四時間内の総摂取量をもって判断するである。