皮ふの健康

 

いにしえの考え方

 

昔から皮ふが健康に関係があることは一般に周知のことであったが、後世医学が部分医学に発展していったために、皮ふの健康上における重要性がなおざりにされて、このために病気がふえてきたのである。

 

 

皮ふ機能の障害

 

皮ふ機能の障害は、その根本は皮ふを包みすぎることからきている。つまり厚着の習慣である。夏の間は気候が暖かいために、誰でも薄着であるが、夏がすぎて涼風が吹いてくると、すぐに着物を余計に着て、皮ふを包むのである。

夏の間に発汗して、水分、塩分、ならびにピタミンCを失って、これらを適当に補給していないため、水分の喪失は血液中にグアニヂンを堆積して尿毒症の原因を作り、塩分の不足は足の神経炎から足に故障を起こし、ビタミンCの不足は皮下出血を起こし、歯槽膿漏から壊血病と発展する。

足の故障は、身体の諸所に故障が起こり、このため微熱が出て寒気を覚えるようになるから、そこで少し涼風が吹くと、早くからいろいろのものを着込み、皮ふを空気にさらす機会が少なくなるから、皮ふが弱くなり、自然と厚着の習慣がついてくる。

そこで、皮ふの健康はなるべく皮ふを空気にさらすことである。それには、薄着にならねばならない。厚着をしていると、少し暖かい日には発汗しやすく、このため水分、塩分、ならびにビタミンCを消失することになる。それで薄着をしなければならないのであるが、いままで厚着をしておったものが、急に薄着になると風邪にかかる危険がある。なので、薄着にするには、皮ふをだんだん薄着になれさせることが必要になってくる。

この皮ふを鍛錬するに、従来の正統医学では、冷水摩擦とか乾布摩擦、はなはだしいのになると皮ふをタワシで擦ることを奨励しているが、これでは皮ふをむやみに摩擦して、大切な皮ふを痛めてその作用を阻害することになる。冷水摩擦、乾布摩擦、もしくはタワジで摩擦すると、皮ふは傷つき、そこに炎症ができる。そのうえ、摩擦になれるとだんだんはげしく擦らねば気がすまぬようになって、いよいよ皮ふを傷つけこのために皮ふがはれ上がり、毛孔を塞ぎ皮ふの排泄や呼吸といった大切な機能を害してしまう。こうしてて身体の浄化作用は阻害され、体液は不浄となり、神経痛やロイマチスや平時には風邪の原因ともなるから、そのような乱暴な方法はやつてはならない。では、いかにすればよろしいのであろうか?

 

 

皮ふの新たな鍛錬法

 

西医学では、皮ふの鍛錬を温冷浴と裸療法とで行なうのである。

 

 

かくして薄着が可能

 

温冷浴と裸療法とを実行すると、皮ふが丈夫になり、その機能が回復するから、身体がおおいに改造せられ、寒さに耐えられるようになり、薄着も可能となるばかりではなく、裸体で平床上に薄い掛布団で寝られるようにもなる。皮ふが正しい鍛練を受けると血液は浄化され、体質は改善されて、風邪を引きやすい体質も治り、腺病質や皮ふ病におかされるような人も、そんなことがなくなるのである。すなわち、皮ふが完全になって、心身の健康が築き上げられていくのである。

皮ふの機能大切さと、その巧妙なる構造を理解すると、冷水摩擦や乾布摩擦をやったり、タワシや荒縄で擦るような極端な乱暴なことはできなくなる。

健康上、皮ふが重要なことは、皮ふの三分の一を火傷したり、また故意にペンキやコールタールを塗ると悶死することでも知られる。ゆえにいやしくも健康を建設せんとするならば、われわれは、皮ふの正しい鍛練を行なって、その重要なる機能を充分に発揮させるようにせねばならない。かく鍛練した皮ふは寒気に対する抵抗力が強く、寒風にさらしでも鳥肌になるようなこともなくなり、極寒でもきわめて薄着で過ごせるようになる。こんな人が、裸体で、平床上に、じかに寝られる人であり、健康な人である。